吉祥寺駅南口のパークロードなどで開催された「KICHIJOJI STREET PICNIC」に行ってきた。

昨年に続いて2回目。
昨年も多くの人が参加していたが、今年はさらに増えたように感じた。
特に目についたのが、道路にレジャーシートを敷いて楽しんでいる人たちだった。
「STREET PICNIC」という名前なのだから当たり前といえば当たり前なのだが、普段はバスが走っている道路にレジャーシートを敷いて座り、食べたり飲んだりしている。
私は今年も普通に歩いて見て回ってしまった。
来年も開催されるなら、今度はレジャーシートを持って行こうと思う。
普段はバスが走っているパークロード
吉祥寺を利用する人ならよく知っていると思うが、パークロードは普段はバスが頻繁に通る。
人通りが多い一方で歩道は決して広くない。
バスも来る。自転車も通る。歩いていても周囲にそれなりに気をつけなければならない通りだ。
そのパークロードから、この日はバスがいなくなる。
そして、いつもバスが走っているところに人が座っている。
見慣れた場所なのに、まるで違う場所に見える。
今回のイベントは、単に道路を車両通行止めにして歩行者天国にするだけではない。
道路にテーブルや椅子を置き、レジャーシートを敷いて、飲食したり話をしたりしながら過ごす。
歩くために道路を開放するのではなく、そこで過ごすために道路を開放している。
実際、今年は道路に座って楽しんでいる人がかなり多かった。
昨年に続いて参加してみて、「STREET PICNIC」という名前がしっくりくるイベントになってきたと感じる。
沿道のお店も一緒になって盛り上げる
屋台も多く出ていた。
それだけでなく、沿道の飲食店も店先に出て販売をしていて、こちらもピクニックを盛り上げていた。
イベントのために用意された屋台だけではなく、普段からこの場所で営業している店も一緒になって参加している。
店で買ったものを、そのまま道路で食べることもできる。
私もビールを飲んだ。
普段であれば、道路は通る場所で、飲食店は飲んだり食べたりする場所になる。
この日は、その境目がずいぶんと曖昧になっていた。
新しい広場を造ったわけでもなければ、道路を造り替えたわけでもない。
道路の使い方を数時間変えただけだ。
それだけでも街の景色はかなり変わる。
「社会実験」というと何やら難しそうに聞こえるが、実際にやってみると非常に分かりやすい。
客引きが目立たなくなっていた
そして今回、もう一つ気がついたことがある。
パークロードは、普段はいわゆる客引きや客待ちも多い通りだ。
武蔵野市では「武蔵野市つきまとい勧誘行為の防止及び路上宣伝行為等の適正化に関する条例」で、客引き行為などを禁止している。
条例では、飲食店などへの客引きだけでなく、それらの行為をする目的で相手となる人を待つことも「客引き行為等」に含まれている。
そして公共の場所では、これらの禁止行為をしてはならないとされている。
吉祥寺駅周辺では安全パトロール隊、いわゆるブルーキャップも巡回している。
ただ、その効果については疑問もある。
条例で禁止され、ブルーキャップが巡回していても、現実には客引きや客待ちはなくなっていない。
私自身、普段この通りを歩いていて客引きから声を掛けられることもある。
良いか悪いかは別にして、客待ちを含めて条例で禁止されている。しかし、それでもいる。
これが現状だ。
この日は客引きがほとんど気にならなかった
ところが、この日のパークロードを歩いていて、客引きがほとんど気にならなかった。
いなかったわけではない。
客待ちをしていると思われる人の姿はあった。
ただ、目立たない。
理由は単純で、ピクニックを楽しんでいる人の数が圧倒的に多かったからだ。
道路にレジャーシートを敷いている人がいる。店先で食べ物を買う人がいる。立って飲んでいる人がいる。家族連れもいれば、友人同士で来ている人もいる。
とにかくたくさんの人が、この場所を普通に楽しんでいた。
その中では、客待ちをしている人がいても普段ほど存在感がない。
これは少し面白いと思った。
客引き対策といえば、まず思い浮かぶのは規制や取り締まりだ。
武蔵野市の条例でも、禁止行為に対する指導のほか、特定地区では警告、勧告、公表まで定めている。
そうした対策が必要ないと言うつもりはない。
一方で、この日は取り締まりを強化したから客引きが目立たなくなったわけではない。
街を楽しむ人が圧倒的に多かった。
その結果として、客引きや客待ちの存在感が小さくなっていた。
もちろん、毎日ピクニックを開催すれば客引き問題が解決する、という話ではない。
それでも、人が道路をどう使うかによって、街の雰囲気まで変わるということは実感できた。
将来、パークロードはバス通りではなくなる
そして、今回の光景を考える上でもう一つ大切なのが、パークロードの将来だ。
現在は多くのバスが通っているが、将来的にはバスは井の頭通りを通ることになり、パークロードはバス通りではなくなる。
そう考えると、今回のSTREET PICNICの見え方も少し変わってくる。
単に年に一度、バスを止めて道路でピクニックを楽しむイベントというだけではない。
将来、バスが通らなくなったパークロードをどのような場所にしていくのか。
今回の社会実験は、その可能性を実際に道路を使いながら考える機会でもある。
バスがいなくなれば、道路の使い方も変えられる。
では、どう使うのか。
歩くための道にするのか。
立ち止まれる場所をつくるのか。
沿道のお店が今よりも道路側に出られるような使い方を考えるのか。
今回のように、座って飲んだり食べたりできる場所をつくるのか。
バスが通らなくなったからといって、自動的に今回のような空間になるわけではない。
だから、今のうちから実際にいろいろ試してみることには意味がある。
今回の光景を見ていると、パークロードにはいろいろな使い方がありそうだ。
社会実験だから見えてくるもの
武蔵野市では現在、吉祥寺駅南口から井の頭公園につながる一帯について、「吉祥寺パークエリアまちの将来像」の検討を進めている。
今回のSTREET PICNICも、そのための社会実験の一つだ。
会議室で図面を見ながら、将来の道路の使い方を考えることも必要だ。
一方で、実際に道路を使ってみなければ分からないこともある。
バスを止めてみる。
道路にテーブルや椅子を置いてみる。
レジャーシートを敷いてみる。
沿道のお店にも外に出てもらう。
そして、そこに実際に人が集まってみる。
今年はかなりの人が集まった。
その結果として、単に「道路に人が座れた」というだけではなく、街の雰囲気まで普段とは違って見えた。
客引きや客待ちが目立たなくなっていたことも、やってみたからこそ気がついたことの一つだ。
こういうものは、図面を見ているだけでは分からない。
社会実験として、面白い結果の一つだったと思う。
来年はレジャーシートを持って行きたい
昨年に続いて2回目のKICHIJOJI STREET PICNIC。
今年は参加者も増え、昨年以上に「ピクニック」らしくなっていた。
普段はバスが走り、歩行者がその脇を歩いている道路にレジャーシートが敷かれ、人が座って食べたり飲んだりしている。
沿道のお店も外に出て、いつもとは違うパークロードになっていた。
そして将来、この場所はバス通りではなくなる。
今回だけの特別な光景として見るのではなく、その後のパークロードをどう使っていくのかを考える材料にもなる。
どんな形がいいのかは、これから考えていけばいい。
今回のような社会実験を重ねながら、実際に使う人たちの姿を見て考えていくことが大切だと思う。
そして来年も開催されるなら、今度こそレジャーシートを持って行く。
せっかくの「STREET PICNIC」なのだから、次は私も道路に座って楽しみたい。
関連リンク
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